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2011年10月 アーカイブ

ミラノへ

海外旅行でミラノへ。


ミラノ駅には遅く着いた。


真夜中もとっくに過ぎたころなので、汽車がミラノの街中に入って行くころになると、とたんに不安になりました。


大きなかばんが三つ、スキーが一組、スキー靴などの入った不定形の布ザックがひとつと、コルチナから乗るときにもやっとの思いで持ちこんだもの。


それでもなんとかしなきゃと、街の灯がどんどん増えていく中で、廊下に荷物を運び出した。


隣のコンパートメントの連中も、どうやら荷物を運び出しているようす。


何気なく見ると、これは我々とずいぶんちがう。


若い女の子が二人、六人掛けのコンパートメントの中はかばんでいっぱい埋っています。


数えたら十四個あった。


え、どうする気、とあきれる目の前で、彼女らはどんどん廊下に出して積み上げた。


我々夫婦はほぼ十日間の滞在、たっぷりスキーを楽しんでの帰りだが、隣もコルチナから乗りこんだはずだから、やっぱり彼女たちもスキーか。


そうなるとこの荷物を見てもわかる、一カ月に近い旅だったのでしょう。


我々も負けずに積み上げた。


汽車はミラノ駅に滑りこんだ。

イタリアでの出来事

廊下の窓を開けた。


冷たい夜気が顔を打つ。


さてどうなるかこの先は、と下を見たら、若い男がおいでおいでをやっています。


ご存じの方も多いと思うが、このおいでおいでの手の振り方、日本と外国では大いにちがう。


日本では上から下へ、水をかくようにして手を振る。


その振っている手をじっと動かないように下げてみると、これはたちどころに幽霊の手つきになります。


外国ではこの振り方を、下から上へ振る。


日本でも車なんぞの誘導にはこの手の振り方になります。


やっぱり外国から持ちこまれたものの場合には手の動かし方もそちら風になるのか。


いずれにしても、下にいる男がおいでおいでをしているから、こっちもおいでおいでを、日本式のアングルでやってやった。


下は手を下から上へ、上は手を上から下へ振っています。


そのうちに男はもっと大きく手を振り出した。


私もそれに合わせて大きく、それこそクロールのときのような手つきになって、空をかいた。


この私の変な手つきを見ていた男は、今度は両手で箱のような格好を描き始めた。


わかった、かばんだ。


窓から手許のかばんを覗かせた。


男は大きくうなずいた。


やれやれ、男はかばんを降ろせ、と言っていたのだ。


海外に行くなら、豪に従え・・・とよく聞く。


でも・・・

続く・・・☆

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