イタリアでの出来事

廊下の窓を開けた。


冷たい夜気が顔を打つ。


さてどうなるかこの先は、と下を見たら、若い男がおいでおいでをやっています。


ご存じの方も多いと思うが、このおいでおいでの手の振り方、日本と外国では大いにちがう。


日本では上から下へ、水をかくようにして手を振る。


その振っている手をじっと動かないように下げてみると、これはたちどころに幽霊の手つきになります。


外国ではこの振り方を、下から上へ振る。


日本でも車なんぞの誘導にはこの手の振り方になります。


やっぱり外国から持ちこまれたものの場合には手の動かし方もそちら風になるのか。


いずれにしても、下にいる男がおいでおいでをしているから、こっちもおいでおいでを、日本式のアングルでやってやった。


下は手を下から上へ、上は手を上から下へ振っています。


そのうちに男はもっと大きく手を振り出した。


私もそれに合わせて大きく、それこそクロールのときのような手つきになって、空をかいた。


この私の変な手つきを見ていた男は、今度は両手で箱のような格好を描き始めた。


わかった、かばんだ。


窓から手許のかばんを覗かせた。


男は大きくうなずいた。


やれやれ、男はかばんを降ろせ、と言っていたのだ。


海外に行くなら、豪に従え・・・とよく聞く。


でも・・・

続く・・・☆

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